
Harvest Finance(FARM):利回りを刈り取る仕組みと、DeFiが揺れる理由
Harvest Finance(ハーベスト・ファイナンス)は、2020年に誕生したイールドファーミング(利回り運用)自動化プロトコルです。ユーザーがUSDC・USDT・ETHなどを預けると、Harvestが自動的に最も利回りの高い運用先を選び、利益を再投資します。その報酬の一部が FARMトークン で支払われます。
Ethereumネットワーク上のERC-20トークンとして始まり、後にPolygonやArbitrumなど複数チェーンにも展開。つまり「複数の畑に自動で種をまき、収穫を最適化する」仕組みがHarvestの中核です。
VaultとStrategy ― 利回りの自動運用装置
Harvestでは、資産を預ける場所をVault(ボールト)と呼びます。Vaultはただの保管庫ではなく、内部にStrategy(戦略)が組み込まれており、預かった資金をDeFiプロトコルに分配して利回りを生み出します。
預けた人には「fToken(例:fUSDC)」という証明トークンが発行され、その価値はVault全体の収益に応じて自動的に増加します。これがHarvestが“複利で資産を育てる”と言われる理由です。
FARMトークンの役割と報酬設計
FARMはHarvestのガバナンス兼報酬トークンです。かつては、預け入れ額に応じて毎週トークンが配布されていました。発行上限は5,000,000 FARMで、2024年に配布は終了しています。
- 70%:流動性提供者・戦略実行者へのインセンティブ
- 20%:開発チーム
- 10%:プロトコル運営費・コミュニティ
この分配モデルにより、参加者全員が「Harvestを使い続けるほど利益を得る」構造を保ってきました。
FARM を実際に取引できるのは、現在この2つの取引所です。
動きの速い銘柄なので、登録は早めが安心です。
なぜFARMの価格は揺れるのか
- 利回りが変わるたびに資金が移動する
HarvestのVaultは市場利回りに応じて動くため、他プロジェクトに高利回りが出ると一斉に資金が抜けます。この資金移動がFARMの需要を即座に変化させ、価格をブレさせます。 - ガス代とタイムラグの影響
Ethereumの手数料が高い時期は資金移動が止まり、手数料が下がった瞬間に大量の再配置が起こります。この“溜め→解放”のサイクルが短期的な急変動を生みます。 - 報酬トークンの性質
FARMは利回りの象徴でもあり、報酬が減れば売られやすい。利回りの減少と同時に供給が市場に出るため、下げの波が起きやすいのです。
それでも生き続ける理由
Harvest Financeは、DeFiの初期から続く「安定報酬型プロトコル」の生き残りです。ハッキング事件を経てプロトコルのセキュリティが再設計され、今では「資産運用自動化のベースインフラ」として一部の投資家に根強く使われています。
FARMは一時的な投機対象ではなく、「資産を預ける場所の信用」を測る温度計のような存在になっています。
まとめ
DeFiが揺れるのは、不安定だからではなく、
人と資金の動きが可視化されているから。
Harvest Financeは、その“市場の呼吸”を最も素直に反映するプロトコルのひとつです。
参考リンク
- Harvest Finance Docs
- CoinMarketCap – Harvest Finance
- Coingecko – FARM Token
- IQ Wiki – Harvest Finance 解説
FARM を実際に取引できるのは、現在この2つの取引所です。
動きの速い銘柄なので、登録は早めが安心です。
UnsplashのTowfiqu barbhuiyaが撮影した写真


